2011年5月2日月曜日

風評被害と情報隠ぺいの境に

 最近はよく、これは風評被害なのか、それとも正当な判断なのか、それらが混乱したような記事や発言を目にする事がおおくなった。

 もっとも解りやすい例が、いわき市で起こった給食に関する問題だ。いわき市では福島産の食材を使って、学校給食で食べさせているという。なお食べようとしない子供には「福島産の牛乳や食材は危険だという風評を払拭するため」と言ったと言われている。

 他にも最近似たような話を聞いた。福島知事だったか? 県外への人工流出を防ぎたい為に、積極的に避難した人たちを地元へ呼び戻しているときく。

 また、こんな話もあった。妊婦の方をなんとか安全な場所へということでボランティアが沖縄へ疎開させたが、地元から帰ってこいとか、自分だけ逃げるのに忍びないとかいう理由で結局は地元へ戻ってゆく人が多いときく。

 こういった話を聞いて、みんなはどう考えるのだろう。 あなたはどう考えるのか? 少なくとも何かおかしいと思わないか?

 私はおかしいと思う。 だから、この事について話したい。


 例として挙げた3つの話だが、解りやすいので給食の例で考えたい。この話では2つの意見の対立がある。おそらく次のようなものだと考える。

1)市側の意見
 給食を拒否する事は、福島の食材が汚染されている事を認めることになる。それは結果として風評被害を助長させる事になる。故にいわき市としては、全員が強力してこれを止めるべきである。だから給食の拒否は許されない。

2)子供の両親側の意見
 風評被害云々の為に、どうして子供を犠牲にするのか、危険にさらすのか? そんな義務がそもそもあるのか?

 私的には2)が正論だと思う。そもそも「風評被害じゃないだろ」、あなた方がやろうとしているのは「事実の隠ぺい」にむしろ傾いているのではないかと思う。そもそもこんな話になってややこしいのは政府の指示が信用できない事が原因だ。だが現状で独自に情報を判断すれば、そしてリスクを考えて安全側に対処するならば、子供を危険にさらすべきではない。

 1)と2)の話は、ともに事実を曲解(もしくは誤認)した事による、間違った努力、もしくは方向性がずれた善意だと思う。 だが3)はちょっと違うのではないだろうか? 「自分だけが逃げるのか」という問いに、「逃げて何がおかしい」と答えても良いと思うが、なかなかそういかないのが多数なのだろう。


 このテーマをわざわざ書きたくなったのは、昔よく感じていたある違和感を思い出したからだ。過去に私は仲の良かった友人に次のような事をいった事がある。

 「日本人というのは「平等」だということをやたらと強調する。だが、私は「平等」にしたいなどと考えた事はない。その代わりに「フェアー」であるという事については、徹底的にこだわってきた・・・」

 「平等に幸福になろう」そう語れば美談かもしれない。 しかし「平等に不幸になろう」というのはどうだろうか? 今回例にあげた問題はいずれも、暗黙のうちに、「平等に不幸になろう」と言っているような気がしないだろうか? 

 そもそも人は同じではないし、人生を同じにするわけにもいかない。もしも「平等」という言葉が、全てを均質にしようとする呪文なのならば、私はNOという。 しかし、代わりに「フェアー」かどうかについてはこだわりたい。結果は平等にならないだろう。だがその過程は明確でなければならい。どこのどいつであろうが、ごまかしを許したくない。

 今回問題になっているような気持ち悪さ、それは過去にも覚えがある。 「平等にする」事なんかに、たいした意味はない。「明らかにする」事に意味があるはずだ。


 だがこの誤った平等の押し付けを、いま一番やっているのは政府である。風評被害を防ぐという名目で、各所の野菜の数値を計ったり/計らなかったり、ミルクを混ぜて計るだの・・・、例を挙げればきりがない。政府はあたかも、こういったいるかのようだ。

 「日本全体で平等に被爆すればいいじゃないですか、わけへだてなく、みんな同じですよ。文句を言う必要もないでしょう」

 そういえば、第二次大戦の軍部も良く似たようなスローガンを出していたような気がする。それだけ、政府も国民も成長してないという事かもしれない。

 だからこそ、あえて明確にしておきたいが、

 政府も、いわき市も、似たようなもろもろの話に対して言いたい。 


 『それらは全部まやかしだ。巨大な誤魔化しでしかない。自分と周りの全員を同時に誤魔化してなっとくしようとしているだけだ』

 こういう、あたかも、自分自身と周りに催眠術でもかけて、納得しようとしているかのような、馬鹿げた議論や説明は即刻止めてもらいだい。

 今に要求されているのは、誤魔化しではなく、具体的な救済であったり、対策であったり、行動が必要とされているのだ。誤魔化しではない。

 例に挙げた1)~3)の全てに当てはまるのは、全てがただ現状と自分を誤魔化しているだけだ。給食の例であれば、風評被害ではなく、実体被害をまず止めるべきだ。まずは現在の問題を認めるべきだ。
(もっと具体的にいえば、嫌がる子供に給食食わせるよりも、安全な食材を他県から入手して、損害を全て東電に請求すればよい)


 平等だか、連帯だか、なんだか分からない言葉による誤魔化しや、不安や傷のなめ合いだか、そういった事は止めないといけない。それは思考停止となって、さらに被害を増やすだけだ。あくまでも、どんなにシビアだろうが、現実をみて判断して欲しい。そうしないと、これからもっとひどい事が起こる事になる。


<参考>
・緊急の訴え いわき市の市長さんへ、あなたは神ですか?
 http://news.livedoor.com/article/detail/5519865/

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