2011年5月14日土曜日

想像力の欠如、リーダーには想像力が必要

 リーダーには想像力が必要。

 これは、ここしばらく原発問題についてブログやTwitterにコメントしながらたびたび頭をよぎったキーワードです。別に目新しい話題でもありませんが、日常でも同様の思いをする事が多いので、ちょっと頭の整理の為に記載します。


●「想像力はなぜ必要なのか?」
 これをまずうまく説明するのは難しいので、こういった事を考えるに至った経緯をそのまま記載します。私の本職はシステムエンジニアなのでソフトウェアの設計・コーディングなどを普段しているわけですが、その中でずっと考え続けてた一つが「どのようなスキルが必要か?」でした。

 もちろんソフトウェア開発ならばハードや言語知識などテクニカル知識は必要です。しかし逆にテクニカルな知識の豊富なわりにはたいした物を作れないという人も現実には多くいます。また私はドッグイヤーと呼ばれる技術進歩をだらだらと追いかけるのは切りがないので、逆に技術情報はすべてオプションだと想定し、それをどう活かすかという事を考えていました。(平たくいうと、まじめに勉強するのは面倒なので、もっと要領かませないかと考えたわけです)

 その過程で考えていたテーマに「経験とは何か?」という問いがありました。それは、そもそも「経験」というものをちゃんろ理解していない、解ってないと感じる上司やリーダーというものがけっこう多いからです。

 彼らはだいたいにおいて「過去にやった事がある」=「経験」と言います。しかし私はそれに反論があって、「過去にやった事がある」=「ただの過去」でしょうと言ってきました。駄目なリーダーの典型は「過去にやった事がある、それでうまくいった」的な発想で、成功体験を繰り返そうとします。ですが「じゃあそれにどんな意味やメリットがあるの?」と聞くと、ちゃんと答えらません。これは「経験」ではなく、ただなんとなく「過去」をなぞっているだけで、だいたいプロジェクトをピンチに追い込みます。

 つまり「単なる過去」を「経験」と呼べるようにするには、過去の情報や記憶などの体験を洗練される必要があります。例えば次のようなものです。

  1. 過去の事象を整理しなおす
  2. 発生時点の背景や前提条件を明確にする
  3. 他にどのような選択肢や可能性があったかを考える

 ここで出てくる1)は情報整理能力ですが、2)や3)を実施する為には「想像力」が必要です。目に見えるものからスタートして、直接現れてこなかった背景や違う可能性を推理する必要があるからです。
 
 しかし実際問題としては、上記2)と3)を正しく行えるリーダーは私の見たところあまりいません。比率は大会社でも子会社でもあんまり変わらないようなので、日本人の特性なのか、教育の関係でそういった「想像力」を鍛える場がすくないのかなと考えています。


●「リーダーには想像力が必要」
 ここでようやく本題につながるのですが、私はリーダーには想像力が不可欠だと思っています。特にフレキシブルな状態や変革を必要とする場合には、必須の能力だと思います。そういう場では「止める勇気」や「新たな選択肢を考えて実施する」といった事をしないといけません。あと一つ付け加えるならば「常に本質を問う」必要もあるでしょう。

 ですがここで現実に戻って、特に今テーマとなっている「福島で現実に起きている問題」「これからのエネルギーをどうするかという課題」についてみたところ、政府や財界+官僚などは、そもそも「何がしたいのかよく解らない?」と感じます。

 現実問題に対する認識の甘さでは、現在の事故を収束する為に必要な技術やリソースの見積もり、そして今なお続く放射能汚染の広がりや被爆の問題、近い将来は大量に被爆をもとにした疾患で「水俣病」など比べ物にならない問題がおこる可能性、また世界にたいする信頼欠如などを軽視しているとしか思えません。鎖国でもしない限りは国内で情報隠蔽する事にはメリットはないにもかかわらず。

 またエネルギー課題については、原発を推進しようとする力は大きいようですが、そもそも推進し続けたら「国がもたない」のではないかと思います。狭い国土かつ、人口が減り続けるこの国で、原発を増やしていけば、人の住める場所も減っていき、やがては誰も住んでない地域で核廃棄物だけのお守りをつづけるような、奇妙な状況へたどり着くのではないかと思います。

 そういった問題の根本にあるのが、「想像力の欠如」だと私は見ています。


●最後に
 利権がどうとか、金融がどうとか、直近の話は色々とあるでしょう。ですが「現状維持という選択肢」はそもそも現実的ではありません。彼らが現状維持できると考えているのは、どの程度の期間なのか? 30年、10年、5年、1年?・・・そもそも、それすら解ってないのじゃないかなと感じます。

 私には、だらだらと現状維持をつづければ10年後の日本は、原発以外はほとんど何ものこってない国になって、借金払いながら核廃棄物だけをコツコツ処理するだけになるのではないかと思えてなりません。いまこそ「過去にとらわれず」に、もっと「想像力」を広げる時でしょう。

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