2011年6月5日日曜日

被爆リスクについての誤解

 放射能汚染、被爆についてのリスクは、発ガン率として語られる事が多い。例えば子供に20mSv/年の基準を押し付ける事は、発ガンリスクを200人に1人まで引き上げたものだという記事があった。(ちなみに大人は1/500、PSRのアイラ・ヘルファンド博士)

 正直に言うと、私はこの1/200という発ガンリスクが妥当なのかどうか解らない。個人的にはもっと多いような気がする。だがこの点については意見が最も別れる部分であり、また信頼できるデータも少ない。だから、1/100なのか1/300なのか、それが何年以内を指しているかは私には結論が出ていない。

 だが今回話したいのは、この発ガンリスクについてではない。話をしたいのは「被爆で起こるのは発ガンだけではない」という事である。

 世間での被害見積もりを見ていて、いつも引っかかり、またどうも誤解が多いような気がする部分だ。下記の2つの説明を比較して欲しい。
  • A)健康被害は、200人に1人がガンになる。
  • B)健康被害は、ほほ全員に及び、200人に1人がガンになる。
 どうも世間では上記A)の論調で語られる事が多いようにおもう。だが実際にはB)が正しくて、健康被害は全員に起こって、なおかつ最悪はガンに至るというのが本来の正しい認識なのだと思う。

 これは単に言葉のあやではなく、重要な意味を持つ。

 ネット上のインタビューや説明会の動画で「矢ヶ崎克馬」「野呂美加」両氏の話を見たおかげで、私もだいぶイメージができた。野呂美加氏はチェルノブイリで実際にボランティアをしていたので、現地で実際に子供の被害を見てきたのでかなりリアルな話があった。まとめると次のようになる。

<健康被害:チェルノブイリの子供より>
  • 基礎体力がない、とても疲れやすい。集中力がなく、学校の授業も休憩を普通より多く挟んで実施している。
  • 抵抗力がないので病気にかかりやすい。
  • 胃腸が弱くて、あまり食べられない。
  • 老化が早い。
  • 成長障害、知能がうまく発達しないなど・・・etc
 上記のような普通の健康障害があり、なおかつさらに致命的な症状としてガンになるのだ。さらにDNA損傷が原因による、世代にわたっての奇形や障害の遺伝という問題も考えられるが、正直私もこの世代を超えての問題は想像できない。(考える気力がおきない・・・)

 どうも世間ではこの普通に考えられる健康リスクがあまり語られてないようだ。ちなみ最近東京近辺や各地で良くきく、急性の鼻血といったものは、チェルノブィリでも起きた被爆の初期症状らしい。健康な人間にはあまりないが、もともと少し身体が弱いとか、持病がある人にどうやら多いようだ。
(もう少し色々と情報を集めたかったが、なかなかネットを探しても情報が拡散していてうまく見つけられなかった)

 どうしてこのような健康被害が起きるかだが、内部被爆について解ってくると理解できる。

 もともと放射線は自然界にもあり、放射線はDNAを損傷する。だが生物は進化の過程で、DNAをあるていど修復する能力を獲得しており、また放射性物質も体内へ蓄積するのではなく、排出する能力も多少はある。

 だが人口の放射性物質は、それまで自然界にないので生物はそれを体内に取り込んでうまく排出できない。これが内部被爆の状態だが、内部被爆がおこると至近で放射線を浴びるので、細胞のDNAが常に破壊されつづける状態となる。このために体内で壊れたDNAや細胞を修復しようとつづけるわけだが、これは人体に多大な負荷をかける。

 結果引き起こされるのは免疫の低下であり、全体的な体力の低下や成長の阻害などだ。老化が早いというのは、こういった結果起こるのだろう。

 だから何度も指摘するが、運が悪い人間がガンで死ぬのではない。全員が健康被害になるのだ。もしも体力が衰えたら色々な障害になって出てくるだろう。放射線に対する有効は対策は「健康で抵抗力を維持する」「内部被爆しない」の2点が基本となる。

 くれぐれも、安易に運が良ければなんともない、などと考えないことだ。


<参考>
・今中哲二/低線量放射線被曝とその発ガンリスク

・ノーベル賞受賞の米医師団体「子どもの許容被曝量高すぎる」

・依然として最大の脅威は内部被曝のリスク/矢ヶ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)

・野呂美加さんの講演会① 

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