2011年6月11日土曜日

まだまだ事実を知らない人達へ

 6.11は全国同時と銘打って脱原発デモが行われた。私も大阪は実際に見てきて、動画中継で新宿の様子を少しみた。新宿は夜になってもどんどん人が集まってきて盛り上がっているようだ。東京では誰も放射能の話をしたがらない、と聞いた事もあったので少し意外だった。でも東京が置かれている現状から考えれば、ようやく危機感が出始めたのかもしれない。

 そしてTwitterを見ていたのだが、いくつか反原発デモに対して批判的な意見を見かけた。それを見て「まだこんな事言っている人いるんだ」とか「多分実際の情報を持ってないのだな」とか色々と考えさせられた。ちなみに3.11前だったら私も似たようなコメントしていたかもしれないというのもある。幾つかを抜粋してピックアップすると、概ね次のような内容のTweetだ。(補足:原文そのままではなく、私がまとめたものを記載)
  1. 原発止めて火力を動かすと、火力の追加費用で電気代があがる。経済へ影響が懸念だ。
  2. 脱原発はいいが、今やったら中小は首を吊る。
  3. 脱原発デモをTVで見たが、旧左翼系? 胡散臭い人が多くいる
  4. 原発反対の人は電気使わないのか?
  5. いまさら原発が危険だからってデモするものどうか
  6. 反原発デモは煽っている奴がいる。日本人がここまで集まるとは裏を感じる
  7. 脱原発の運動よりも、日々の生活をどうするかの議論をするべき。文化的な生活を放棄する決心あるのか?
 これを見て、なるほどそう考える人もいるのかと思った。私が普段フォローしているのは反原発の人が大部分なので、こういった一般の意見を見るのは久しぶりだったりする。ちなみに、もしも3.11前だったら私も似たような事をTweetしたかもしれない。それに、これらのコメントは別に間違っているわけでもない。ごくごく普通の人の正直な意見だと思う。私も別にこれらのコメントに対して批判をしたいわけではない。それでは私が何故これらをテーマとして挙げたかというと、共通して一つの事を感じたからである。

 「これらのコメントには共通して危機感がない。彼らはおそらく、今日と同じように明日も続くと信じているのだろう」

 ゆえに私は、彼らはおそらく今起こっている事実をまだ良く解ってないのだろうと思う。確かにコメントにあるように、デモの中には胡散臭く感じる連中もいるし、いまさらとか、電気止められるのかと色々ある。しかりリアルに命がけで電力が欲しい奴などいないだろう。それに電気=原子力というわけでもない。だから以前にブログで書いた「そろそろ本当の話をしないか?」「備忘録「福島事故における最悪のシナリオ」」と重なるところもあるが、改めてリアルな今の状況について語りたい。


 私は少し前に、福島事故についてレポートをしているジャーナリストから話を聞ける機会があった。話を聞けた事で良かったのは、今まで私が考えていたイメージがほぼ正しいと確信を持てたことだ。同時に政府側での裏ネタ的な話と、東京方面での話も聞くことができた。だから以前より確信を持って話すが、現在の日本の状況はかなり厳しい。

1)福島原発の解決見込み
 現状なんら解決の目途なし。安定冷却が何年かかるか不明。チェルノブイリのように石棺化まで考えれば10年以上かかるといわれている。救いなのは爆発などによる急激な悪化は当面さけられそう。(無いとも言い切れないが年内ぐらいは少なくとも大丈夫だろう・・・) だからある程度放射線は漏れ続けているし、これから海へ大量に汚染水が漏れる可能性もまだある。

 一番の懸念は現場作業員が長期の事故対応に疲弊して持たなくなるということだ。普通ならとっくに逃げてもおかしくない所で彼らは働いている。被爆限度を守るならば、人間はいくらいても足りない。(10分で年間作業限度まで被爆するような環境だ) 交代するような要員の確保はとても難しく、本当に人がいなくなれば、それこそ戦時の徴兵みたいな形ででも人を集めないといけない。
 
 ちなみに福島事故の評価だが、これだけの災害でも、私はまだ運が良かったのだと思っている。事故の状況などを色々な情報集めると、水蒸気爆発などで圧力容器が大きく破損しなかったのはラッキーだとおもう。ちょっとボタンの掛け違いがあれば今の数倍の被害となっただろう。


2)福島以外の原発についての危険性
 福島事故についての報告は二転三転しているが、津波がなくても地震だけでアウトだったというのが正解だろう。だから津波対策をすれば他の原発は大丈夫というのは、たんなる言い訳だ。日本は地震の活動期に入った可能性もあり、今後も大地震が起こる可能性はある。そして大地震がくれば(想定内でも)福島レベルの事故になる可能性はある。

 ちなみに電力会社や原子力保安院、政府などが安全というレベルが、気休め程度だというのは十分にみんなも理解しているだろう。


3)放射能汚染の状況
 汚染状況についていえば、私がもともと想像していたよりも状況が悪い。東京でさえ安全とは言えない。微粒子となって大気中を舞っていると考えられる放射性物質による内部被害のリスクはかなり高い。内部被爆については過去に「外部被爆/内部被爆と放射線基準値について」に書いたので詳細は省くが、地区に依存するかもしれないが東京でも健康被害が出始めているのを理解するべきだ。喉が痛い、鼻血が出る、持病が悪化した、体調が悪くなったなどは、健康被害の可能性もある。 

 食べ物についても静岡のお茶が最近話題になったが、水産物、海藻なども含めて全て汚染が懸念される。ちなみに政府も官僚も情報隠しに力を入れて、肝心の放射能汚染物質の管理についてはまともに機能していない。最近聞いたエピソードでは大阪でも、学校の給食センターで福島産の食材を使おうとしていたらしい。この件は知人が申し立てて止めさせようとしているが、同様のことが知らぬうちにあちこちで起きているだろう。

 さらに放射能汚染した泥からセメントを作って普通に流通してたりするなど、放射能汚染物質は気がつかないうちに各地へ紛れこんでいるようだ。


4)政治の状況
 現状では改善する見込みなし。もしも大連立になったら、さらに原発推進へと傾くのではないかという恐れもある。現在の政権は情報隠ぺいする以外はまともに仕事をしていないので、数年後に気がつけば日本中が汚染されて、各地で健康被害がでる可能性もある。つまりは「まったく反省も危機感ももってない」という事だけは言える。


 いろいろと書いたが、要するに何が言いたいかと言うと、

「電力がどうたらとか、経済がどうたらとか、言っている場合じゃない」ということだ。

 内部被爆して病人になったら、経済とか電気とかの話どころではない。もしも、あと1回でも福島レベルの事故がどこかで起きたら、日本は完全に終わる。経済的に壊滅するのもあるが、それ以前に住める場所がなくなるだろう。

 TVや新聞などの主要メディアは政府と同じで福島事故を過小評価している。本当はマスコミにちゃんと仕事をして欲しいが、これまでの経緯から考えれば、彼らが正しい意見をいうのはおそらく最後になるだろう。

 そもそも福島事故で3.12に1号機が最初の水素爆発を起こしたあたりで少し天秤が傾いたら、いまの数倍の事故となって日本は終わっていた。だから本来は今の日本で原発を稼働させようということが狂気そのものだ。私が反原発を言うのは、なったらいいなというレベルではなく、そうしないと高い確率で日本という国家そのものが、なんらかの形で壊滅してゆくと考えているからだ。

 何度も同じような事を書いてきたが、今の日本では「今日と同じように明日が続く」という保証はなくなりつつある。だからこそ今までの考え方も含めて、全ての日本人はいったん頭をリセットして考えてもらえる事を願う。

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