2011年6月25日土曜日

人命軽視の国

  • 人命軽視の国
  • 思考停止した指導者
  • 過去に縋りつく大人
  • 活かされない歴史
  • 核という麻薬
  • 被爆と置き去りの人々
  • 過労死と自殺
  • たらい回しされる妊婦
  • 縛り合う人達 ... etc
 日本に暮らす私は、ときおり幾つもの異なる世界に属しているような奇妙な現実感にとらわれる。TVで流れる豊かさのイメージ、マスコミが報じるいつもと変わらぬゴシップ、ネットで流れる不安や怒りの声、そして身近で目にするいつもと変わらぬ人達。
 そして、Eisberg氏の「縛り合う日本社会」というブログを見たときに、共感と同時に今まで頭の隅に引っ掛かっていた、いろんな物事も合わせて思い出した。

 3.11に始まった災害は、この国の欺瞞と脆さを、次々と明らかにしていった。極め付きは福島原発事故であり、広がり続ける放射能汚染の問題に対して、国家は事実上無視を続けている。そして主要マスコミは沈黙し、表向きはいつもと同じ日常が続く。

 私は今までこのブログで何度も原発事故についての考えや疑問を書いてきた。だが、いまだに良く解らない部分が多い。それらは技術的な問題ではなくて、どうして国家存続を左右するような大問題に対して、冷静な議論をしないのか、現実から目をそむけて被害を拡大させ続けているかについてだ。

 もちろん幾つも理由は考えられるし、多くの説明やコメントを今までみた。利権であり、権力であり、政治家の資質であり、経済や失業の問題など・・・etc。しかし、それら多くの見解を聞いても、どうしても納得はできずにいた。これらは別に間違っているわけではない、だが、まだ本質をとらえられていないように思えた。

 その中でようやく一つの大きなキーワードだと思ったのは「人命軽視の国(文化)」という言葉だ。

 原子力の問題についてはTwitterや多くのブログを読んだ。その中には、経済や失業を危惧して「原子力推進はやむなし」「現状を維持するしかない」といった意見も多くあった。そして常に大きな違和感を感じてきた。多くの無名の人々を見捨てて、将来確実に発生する多くの病気や遺伝疾患や死を棚上げして、経済が維持可能であるという考えることが理解できなかった。

 これはいったい何なのだろうか、そして辿り着いたのが「人命軽視の国(文化)」というキーワードである。このブログの最初に列挙した幾つかのキーワード、それらの中心にあるのが、この「人命軽視の文化」であり、個人や人格を尊重(尊敬)しないという、この国の特徴である。

 この国の政府や人々は、基本的に人命を軽視し、個人を尊重していない、そして自分自身をも尊重しない。

 表立って意見を言わず、他人の意見を聞かず、陰で愚痴を囁き合う。為政者は多くの人命を天秤にかけた愚策を、やむを得ないのだとして実施する。細かい荒探しに終始し、小細工に執着し、本質を問おうとしない。責任を取らず、他者の痛みを想像できず、自分の殻に閉じこもる。つまり、日本はこういった国だ。


 少し前に「この世は理屈では動かない」の中で、自分で考えようとしない集団は愚かであると書いた。いまこそ、それが必要な時なのだと思う。結果が正しいか、間違っているかにかかわらず、自分で考えなければいけない。

 今の状況は太平洋戦争時代に似ている。私はその時代の歴史について知るたびに、将校たちの愚かすぎる幼稚な戦略に怒りを感じた。何故、彼らはそれだけの愚かな戦略や指示を行ったかと言えば、徹底した人命軽視によるものだ。そして今の政府も同様の過ちを犯している。この国は歴史から学ばなかったばかりか、未来に対する想像力もない。

 
 最後に「核」について少し話をしたい。原発事故の問題は「核」というキーワードを抜きにしては理解できない。原子力は経済的にはメリットが無く、いざ事故がおこれば国家を転覆させるだけのリスクを持つ。「チェルノブイリハード」の記事で私も驚いたが、ベラルーシでは健康な子供が生まれる確率は2割程度しかない。放射能は半減期の長い物質が多いので、世界規模で放射能は加算されて広まってゆく、SFではなく数世代を経てゆくうちに人類の存続も危ぶまれるようになるかもしれない。

 それでも「原子力=核」を求める声は強い。これは巨大な力の象徴への憧れだからだろう。少し前に石原都知事が「核さえあれば・・・」的なコメントをして話題となっていたが、こういった考え方は私にはもう理屈を超えた「宗教的」(言い方が悪ければカルト的)とでもしかいいようのないものだと思う。

 まるで「博士の異常な愛情」みたいな話だが、仮に日本中の原子炉やもんじゅを破壊して放射能をまき散らせば、映画にある「ドゥームズデイ・デバイス(皆殺し装置)」と同様の効果が出せるのではないだろうか。世界を道連れに自殺できるだけの核を持ちながら、核兵器にこだわり続ける、石原都知事に代表される政治家達は滑稽でさえある。 

<参考>
・縛り合う日本社会 - Eisbergの日記

・「チェルノブイリ・ハート」8月公開/健康な赤ちゃんはたった15~20% - 地球市民点描・麻川 明(黙雷) - Yahoo!ブログ

・映画 博士の異常な愛情 - allcinema

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