2012年1月15日日曜日

福島原発事故の現状について

 しばらくブログには原発事故については話題を書かなかったが、もちろんこれは事故がかたずいたからではなく、また我々のような一般人にたいする危険性がなくなったわけでもない。逆に書かなかった理由は、徐々に悪くなる状況と、こういった諸問題を隠蔽して逆に悪化させてゆく、日本全体のシステムに対して絶望すら感じるようになったからだ。過去にこれらの問題をさんざんブログに書いてきたのだが、改善されない状況にて気持ちが滅入るだけなので、単に同じ事を繰り返すだけの記事はあえて書かない事にしてきた。
 しかし前に書いた「ちょっとオカシイだろう日本人、「道連れ思想」というもの」(7月末)からしばらく時間がたったので、いったんこの辺りで状況を整理するのがいいだろうと思い、もう一回あらためて私なりに整理した状況をまとる事にした。私自身も日々Twitterやブログなどで原発事故の記事はよく見ているのだが、下記のようなポイントは整理が必要だと考えていた。

   * 福島原発事故は、多少なりとも収束に向かっているのか?
   * 放射能汚染エリアはどこまで広がったのか?
   * 食品汚染の現状はどの程度なのか?
   * 福島やその周辺地帯で健康問題は生じていないのか?
   * 日本は脱原発へと向かえるのか?
 むろんこういった話題はTwitterなどでよく耳にしている。だが話題を耳にして直感的に思うのと、実際に調べて確かめるのは大きな違いである。たまにはそういった事も地道にする方が良いので、あらためてネットなどで記事を探して考えてみた。

1)福島原発事故の対応状況
 政府は冷温停止して一段落といっているが、さすがにこれを信頼する国民はいないだろう。そもそもメルとスルーした原発に冷温停止などという言葉は似合わない。核燃料はすでに地下へ潜ったという見方が有力ではあり、これから懸念されるのは地下水の汚染である。地下水が汚染される事については、結果として海二流れて汚染される懸念と、地下水脈につながって広く本州の地下水が汚染されるのではないかという懸念がある。実はここが私はもっとも懸念しているのだが、正直、地下水脈がどうなっているのか私にはさっぱり解らない。この為に実際に本州や東北が広く汚染される可能性があるのかはわからない。
 ただし地下水脈が直接汚染されたらというのがとてつもない事だというのだけは理解している。何故ならば現在の放射能汚染で騒いでいる量というのは、海に流れた分と比較すれば何十、何百分の一ていどにも満たないからだ。地上に溢れたのはあくまでも粉塵となって散った物が大部分であり、直接水にとけこんだ高濃度のものとは比較にならないほど少ない量である。よってもしも地下水脈がおせんされたら、その水はおそらく食用どころか、工業用にも使えないような極端な汚染となるだろう。

 またもう一つの大きな懸念は4号機の建家倒壊である。ここには使用済み燃料が多く残っており、専門家が現在一番恐れているのが4号機だと言われる。もしも4号機が倒壊すれば、大量の放射性物質が3.11並みに降る可能性もあると思うが、それと合わせて人が福島原発に近づく事ができなくなり、結果としてさらに最悪の事態をまねく可能性がある。
 なぜならば冷温しているといいつつも、現在はまだ各原子炉は水をかけてなんとか冷やしている状態であり、これが止まればまた暴走や爆発などという可能性も無視できないからだ。よって人が施設にちかづけなくなれば、けっかとして原子炉が暴走してどれだけの災厄になるのか想像もつかない。

 だから冗談でも解決しつつあるとか言える状況ではない。よって、こんな状況で福島県に住民を戻そうという考えが、そもそもどれだけ馬鹿げているかが分かるだろう。


2)放射能汚染エリアについて
 そもそも汚染エリアとその扱いについては、安全側に倒して被害を小さく見せたい国側と、危険サイドに倒して危機感を持つべきという両方の意見が大きく分かれているので、そのまま記事をみても判断が難しい。なのでやはりチェルノブイリの経験を元に、日本の状況とその対策の妥当性を考えるしかないのだと思う。

<チェルノブイリの避難基準>
    (強制避難エリア)      :148万Bq/m2(MBq/km2)
第一区分(強制移住エリア)      :55万5千-148万Bq/m2(MBq/km2)
 (年間15ミリシーベルト以上)
第二区分(補償つき任意移住エリア):18万5千-55万5千ベクレル/m2(MBq/km2)
 (年間5ミリシーベルト以上)
第三区分(放射線管理エリア)     :3万7千 - 18万5千Bq/m2(MBq/km2)
 (年間1ミリシーベルト以上)


 単純に出回っている汚染マップだけを見ると、強制移住は福島周辺にほぼ限定される。しかし東京圏でも移住すべきという意見があるのは、どうも年間5ミリシーベルトという目安で考えた意見だ。ちなみに過去に日本政府は年間20ミリシーベルトまでは大丈夫といってきたが、これはチェルノブイリよりも緩い基準で本来は話にならない。

 では年間ミリシーベルトで考えると、日本の汚染状況はどうなっているのだろうか? 早川氏が作った地図によれば、チェルノブイリでの移住地域にも日本では多くの人がなんら保証もうけられずに住んでいるのが現状である。ちなみに新年になったあたりから各地のセシウム降下が増えているという話も聞いている。よってまだ期間半減してゆくという話をして良い時期でもない。
 また汚染ガレキの受け入れを、福島県外の自治体へまわそうとしている動きが相変わらずあり、油断をすればさらに汚染エリアを広げる可能性がある。よって東北以外の地域でも気付けば汚染されてしまう可能性がある。


3)食品汚染の状況
 関西に住んでいる私としては、直接関わるのが食品汚染の問題である。ちなみに3.11後は、お茶はほとんど飲まなくなったし、野菜や食材は福島県や東北産と分かれば買わないようにし、魚もほとんど食べなくなった。もっとも警戒しているのは魚で、検知するのが難しいとされるストロンチウムがどの程度あるか分からないからだ。また魚は産地偽装されているかどうかも判別しにくいので、もっともガードしにくい。

 こういえば私が根拠もなく心配しすぎているのではないかと考える人もいるだろう。しかし、そもそも外国では日本の食材を3.11以降は輸入禁止処置をしているのが大部分である。よって普通に考える人たちは、日本産など食べないのだ。また安全基準があるだろうというが、日本の安全基準(500ベクレル)というのは、ヨーロッパでは到底認められないような緩い基準である。
 よって私的には、安心して日本産が食べられるようになるには、まず海外が日本産の食品を輸入してくれるかどうかを目安だと考えている。ちょっとこの件をネットで調べたが、あんまり状況は変わってないようだ。例えば日本全体を禁止から、禁止は東北だけにするとか、厳重なチェック証明をつけてなんとか許可するとか、概ねはまだ禁止措置はつづいているようである。よって安心して食べられるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。


4)健康被害は起き始めているのか?
 私的には福島県レベルでは被害があって当たり前で、ないのが逆におかしいと思っている。だがこの情報が現在はもっとも分からなくて、ネット上でも公的なメディアや機関が明確に数字を出した例をしらない。しかしブログやTwitterなどでは、最近は心不全でなくなる人が増えたとか、運動部などの外で活動をしていた子供が健康を害する例が多くなったという記事はポツポツと目にする。5年ほど経てば統計的にも明確になると思うし、公的機関も数字をださざるを得なくなると思うのだが、それまで放置してよいような小さな問題ではない。

 できれば死亡した人の解剖と内部被ばく調査を義務づけるようにして調べてもらいたいところだ。それぐらい徹底してやらないと将来起きるべき被害に対する対策は立てられないだろう。しかし耳にするのは、公的機関やメディアがむしろ隠蔽側に加担しているといったような噂ばかりだ。


5)脱原発へと向かっているのか?
 さすがに推進する力はなくなってきているようだが、既存の大量にある原発を止めるまでにはまだ時間がかかりそうだ。さすがに最近では原発がないと電力不足になるとか、化石燃料だと電気代あがるとかを信じる人も減ったと思うが、電力業界の力はあなどれず、油断はできない。


 最後にまとめとして所感を書いておく。もう何度も思うのだが、原発事故に関する記事やブログを見てこの問題を軽視している人や、どうも他人事と思っている人、あるいは思考停止しているような人が多いという事だ。例えば放射能汚染を女性は気にしているが、亭主はなんにも気にしてなくてこの話題を出すとけんかになるとかといった例だ。

 男だから気にしないというのもちょっとおかしくて、この手の話を聞くといつも疑問に思っていた。ちなみに身近な友人や知人と話しても、食べ物など気にしないという男性は多い。これはTVや新聞のせいなのか、良くわからないが、小さな子供がいて本来は気にするすべきだと思うが、この話題を出す人はすくない。
 数年たてばそうも言ってられなくなると思うが、この危機感のなさが現在の日本では一番問題なのだとつくづく思う。

 3.11の原発事故は一歩まちがえば、国無くなるぐらいのインパクトがあった事件であり、いまでもまだそれぐらいの被害を起こす可能性を残している。それだけは、いまでもやはり間違いないことだと思う。

<参考サイト>
・放射能汚染地図・土壌汚染マップ【SAVE CHILD】
 http://savechild.sub.jp/
・チェルノブイリの避難ルールを基準にしたら、福島第一原発から80キロは希望すれば移住が認められる?! | TheNews
 http://the-news.jp/archives/2922
・【放射能汚染】チェルノブイリの強制移住基準超も…親ら調査 93万1000ベクレル/㎡ | SAVE CHILD
 http://savechild.net/archives/4654.html
・早川由紀夫の火山ブログ フクシマとチェルノブイリの比較(改訂版)
 http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-450.html
・世界各国の輸入規制~日本の食品(放射線検査など)【随時更新】 - NAVER まとめ
 http://matome.naver.jp/odai/2130813549464571801

0 件のコメント:

コメントを投稿