2012年7月15日日曜日

いじめという曖昧な犯罪

 大津市のいじめによる中学生自殺事件が最近おおくのメディアで取り上げられている。この件についてはネットでも多くの意見がでているが、私も色々と思う点があって、少し考えを整理してみたいと思う。

●まず、いったい何が問題なのか?
 この自殺事件には沢山の問題があって、あまりに多過ぎて逆にポイントが見えにくい。私が思った問題点を上位から記載すると次のようになる。

 1位)警察
 2位)教育委員会
 3位)学校長
 4位)加害者の親
 5位)担任の教師

1位の警察について
 何故警察がトップなのかというと、この件はネットでも多くの意見がでているが警察の問題を取り上げた人は少ないようだ。しかし今回の事件で私が最大の問題をおかしたというのは警察である。何故かといえば、ネット上の情報を見る限りだと、死亡した少年のすぐそばにいじめ加害者の少年が集まっていたという話がある。これが事実ならば、自殺ではなく他殺だった可能性も十分に考えられるからだ。
 例えば、加害者側が少年を無理やり突き落とそうとした、あるいは落とそうと脅して本当に落としてしまった。あるいは実際に突き落とした可能性もある。状況的には十分に殺人かどうかの検証が必要な事件である。

 しかし警察は殺人という視点での調査はしなかった。これは警察の大きな怠慢、あるいはもっと悪く取れば加害者側との認識が事前にあって、積極的に隠蔽に加担したという疑いもある。これは本来は少年の不審死による事件である。だが警察はこれを放置した。
 さらに言えば、事件を調査してと依頼した被害者両親の依頼を無視しつづけた。ここに至った詳細な経緯は私は把握していないが、これまでに聞いた情報だけからすると、警察はむしろ積極的に隠蔽工作に加担し、殺人を隠蔽したのではないかという疑惑がどうしても生じる。

 ちなみに加害者側の親は地元の有力者であり、警察や学校、教育委員会など全部が問題隠蔽工作に協力したという噂もネットでは聞くが、この点については私は把握していないので、真偽はわからない。ただしあまりにも警察の対応が不審なので、ありえた話ではないかという疑惑を感じる。


2位の教育委員会
 次に問題があるのがこの機関。なんの為に存在するのか良く知らない機関ではあるが、普通に考えれば下位組織である学校運営の問題をチェックするのが仕事だろう。ここはまったく機能せず、むしろ積極的に隠蔽に加担した。

3位の学校長
 これも教育委員会と同じで、問題隠蔽だけをひたすら行った。

4位の加害者の親
 ネット上の噂レベルではあるが、加害者両親の力で問題隠蔽が勧められた疑惑が多くある。だがそうであれば、これは大問題である。これは殺人事件の隠蔽にあたるからだ。これは単なる親バカという問題ではなく、刑法上の重大な問題である。

5位の教師
 教師はどんな人物なのかは不明。だが問題隠蔽に加担し、また問題を放置した、問題を明らかにしなかったなどの職務上の問題が大きい。


とまあ、私のなかで問題の重大順をあげると次のようになる。だがネット上で見ると、どちらかというと私とは逆の順序で問題を指摘する人の方が圧倒的に多い。これは「いじめ」という問題に対する考え方の違いによるものだ。


●「いじめ」とは単なる犯罪行為である
 これは私の持論なのだが、「いじめ」という言葉はもう廃止した方が良い。このような言葉を使うから問題が見えにくくなる。だからはっきりとこう言えばいい、学校で起きた、暴行傷害事件、窃盗事件、器物破損、差別等々。「いじめがいけない」のではなく、これらの重大な犯罪行為が問題なのだ。
 今回の加害者側の少年がしでかした事は、もしも社会人だったら十分に犯罪で刑務所に送られる事ばかりだ。だが場所が学校というだけで、「いじめ」という言葉で包まれて大目に見られる。世の中にこれほど理不尽な事はない。

 だから私の意見としては、「いじめ」ではなく、これらは犯罪行為だと認識して常識的に処理するべきだという事である。そうすれば被害者の少年は少なくとも死ななくてもすんだはずだ。

 ちなみに私は少年法などというのは廃止すれば良いと思っている。そもそも同じ罪が、子供の場合だけ軽くなるなど馬鹿げた話だ。誰がやろうが罪は罪である。それに子供は校正の余地があるが大人は無いという考え方もいびつでおかしい。こういったゴマカシが「いじめ」という言葉を産み出し、学校という閉鎖空間での犯罪行為を容認している。


●最大の責任は教師にあるのか?
 どうも各種の記事を見ると、最大の問題を教師だとあげる人が多いが、私は少し違うような気がする。教師の多忙さと難しさから考えると、仮にやる気があって優秀な教師でもいじめの問題を独りで解決するのは難しいと思う。それに今後の問題を防ぐ為に何をすべきかという視点で考えた場合、教師にそれをにおわせるのは無理だろう。
(もしも、自分が教師だったらと考えたら、そんな事まで責任とるのは到底むりだとしか思えない)

 いじめみたいな問題は、周りの子供や大人や全部が協力しないと解決できない問題だ。もちろん加害者の親にも責任はある。そして被害者の級友や近くにいる大人などの力も必要だ。

 今回の事件では教師にも、もちろん重大な責任はある。しかし実際問題を考えれば、教師に勉強以外の事を教えろというのは無理なはなしだ。本来の教育は親や社会全体で面倒をみなければいけない。


●どうすればこのような事件を防げるのか?
 これは難しい問題だが、次のようなアプローチが考えられる。

1)犯罪事件として扱う
 いじめではなく、これらを通常の犯罪事件として扱い、必要であれば学校に警察を介入させる。そうすれば少なくともここまで酷い事態を防ぐ事はできるだろう。

2)透明化
 今回の事件が大きな問題となったのは学校サイドの隠蔽工作だ。これは正常な組織の範囲を逸脱している。問題を透明化し、問題があった事件でしかるべき対処を外部に求めるような事も必要だろう。

3)教育について
 教師は所詮は学校で勉強を教えることだけしか訓練を受けていない。(受けていたとしてもたかが知れているだろう) だから教師以外の力も必要だ。礼儀や倫理や協調性を教えたいならば、そういった役割の組織なり人間なりを育成しないといけないだろう。本来は親や地元の人々が力を合わせるのが理想だが、日本では共同体がほぼ壊れているので、それだけに依存するのは実質無理があると思う。警察しかり、第3者的な機関も作るべきだと思う。


●最後に
 今回の問題は過去に例がないほど、大きく取り上げられた。それは学校サイドのあまりにも明らかな問題隠蔽があったからだ。これは大津市が酷かったのか、それとも学校組織とは全体的にこの程度のものなのか、そのあたりも気になるポイントだ。だがこれだけ大きく取り上げられたのだから、できれば今後は改善される事を願いたい。
 心配なのは、問題が教師個人にのせられて、本質的な対応が行われない事だ。教師は確かに問題だが、これは教師に押し付けて解決できるたぐいの物ではない。スーパーマン的な教師を期待するのではなく、むしろ頼りない教師が勤めていてもちゃんと子供を守れるような組織や方法を設計する事がもっとも重要だ。

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