2013年2月2日土曜日

仮想経済と実態経済


 EUしかり、アメリカしかり、アベノミクスしかり。世界的な経済の問題のなかで、各国の対応や対象は細かい所では違いがあるものの、大きく見ればだいたい同じような事をしているような気がする。つまりは、対応方法は違っても前提となる現状認識が概ね同じだという事なのだろう。
 
 彼らが考える前提事項というものを言葉にするならば、概ね次のようになるだろう。
・我々は永遠に経済成長をし続ける義務がある。
・そして経済成長には終わりが無く、方法を選べば永遠に可能なはずだ。
・ただし実態経済を動かすのは困難な状況にある。
・だから金融パラメータを調整して、世界を思うままに誘導する。

 経済学者ならばもっと小難しい言葉と数字で同じ事を言うだろうが、やや乱暴に要約すると概ね上記と同じような事になるだろう。

 しかし私はこの前提事項について疑念がある。上記のような話を聞かされても、冷静に考えた世界の実態とはどうしても一致していないように感じる。私が感じる世界の現状は次のようなものだ。

・世界経済は飽和しつつある。成長しているように見えるのは金融などの仮想(バーチャル)な場所のみの話である。
・金融中心の経済政策を仮に「仮想経済」というならば、それはすでに実態経済と大きくかけ離れてしまった。
・飽和しつつある世界では先進国が永遠に経済成長する事はない。またする必要もない。
・貧富の差が拡大したおかげで、世界のマーケット全体が結果として縮小した。需要の無い世界では実態経済が成長しようがない。

 私の目には現在の経済政策というのは仮想経済(バーチャルゲーム)という空想と現実をごっちゃにした、ごまかしと妄想の産物にしか思えない。解らないのは、彼らが意図的に「それを行うのか」どうかという部分だ。全員がどうかは解らないが、意図的に行われている部分も多いと感じる。
 仮想経済をいかに進化させても、それで潤うのは仮想世界の住人だけである。一般人に富がおりてくる事もなければ、貧富の差が無くなる事はない。現在行われているのは「ただの仮想経済バブル」である。一般人は分け前には預かれないが、バブルが弾けたあとのツケは押し付けられる。

 もういい加減に、多くの人も気づくべきだと思う。そして自分の頭で考えるべきだ。

 アベノミクスを例にとれば、それはおそらく成功しない。最悪の場合はバブルとなっておおきく国家が弾けるだけとなるだろう。必要なのは、「円が安くなる事」ではなく「通貨があまりぶれずに安定する事である」。そしてGDPが上がる事ではなく、貧富の差が減少して1億人の国民をちゃんと食わせられるかどうかということである。

 彼らはバーチャルな数字に固執しつづけ、そして身近で死んでゆくであろう多くの人をただ見捨てている。しかし皮肉な事に、ネット上でも安倍総理を支持する声はおおく、批判的な意見は少数のようだ。テクノロジーがこれだけ進化しても、それでも多くの人は賢くはならなかったという事なのかもしれない。でも、それでは世の中は良くなりようがないな。

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