2014年7月14日月曜日

「永続敗戦論/白井聡」を読んで

 「永続敗戦論」はvideo news「戦後レジームからもっとも脱却できていないのは安倍総理、あなた自身です」を見た時に、著者による「永続敗戦」という分析を聞いて、思わず購入した本だ。

 ちなみに私はいわゆる「日本論」的な書籍は、内容がたいてい薄っぺらくて、価値がないと考えて、あんまり読まない派である。乱暴な言い方をすれば、日本論的な書籍は「日本人向けに書かれた日本人目線の日本人論」であり、たいていは学校や会社ないの内輪ネタ程度の意味しかないものが大半だからだ。唯一面白なと思ったのは「日本辺境論/内田樹」ぐらいである。
 しかし「永続敗戦論」で描かれた分析は、そういった書籍とは一線を異なる、独自の視点で書かれたものであり、是非とも多くの「日本人」に読んで欲しい書籍である。


 この本の具体的な内容を解説するのは難しいが、興味を持って読んでみたいと思うかもしれない人のために、なんとか試みると・・・

 この本で述べているのは、3.11(原発事故)により明らかとなった日本社会の綻び、特に問題が生じてもだれも責任を取ろうとせず、何もかも誤魔化してうやむやとしているような構造について考察し、いったいどうしてこんな社会になったのか、それを支えている政治家および国民の思考などについて分析を行った内容である。

 そして、それを紐解くには、第二次世界大戦の敗戦(終戦とはあえて呼ばない)の意味をもう一度問い直し、その後の政治および日本の歩んできた道のり見直すことにより、現在抱えている問題を考えようというものである。
 日本で「敗戦」と呼ばずに「終戦」と呼ばれることのすり替えられた意味、そして敗戦時に保存された「国体」とは何だったのかという事、そこから見えてくるのは「本来のあるべき姿を直視できてない日本人の姿」であり、そこから生じる各種の歪みである。

 中でも序章にあたる「私らは侮辱の中に生きている」は圧巻である。ここでは3.11原発事故について感じていた、怒りと、どうしようもない下劣な誤魔化しに対する絶望感といった多くの事が、代弁されている。

 まずこの序章だけでもぜひ読んでもらいたい。ちなみに難解な内容について語っているが、文章や解説はきちんと順を追ってかかれており、難しくて理解できないようなものではないので、普通に読める本だと思います。

 読めば、私たちの多くが認めたくなかった「抑圧されて歪んだ日本の精神構造」について知ることになるでしょう。

<参考>
・戦後レジームからもっとも脱却できていないのは安倍総理、あなた自身です

0 件のコメント:

コメントを投稿