2018年1月8日月曜日

未来予測2018 ~社会のモラルと到達点~

1.はじめに
 毎年恒例としてここ数年続けている未来予測の記事を書く。予測と言っても実際は日記のサマリーみたいなもので「あの当時はこう感じていた」「こんな風に世の中が見えていた」という感覚を元に想像する未来像を記載したものだ。なので別に当たろうが外れようが気にせずにただ率直に思うがままを書いている。
 それではいつものように例えば日本、世界、社会などといった大くくりで色々と思った事を書いてみる。もともとあんまり細かい事を書かないので、今回も大雑把に気になった現象や事象なども踏まえて書いて見る事にする。


2.トランプと安倍が象徴するもの(2017年を振り返って)
 未来を考える前にまず2017年を振り返る。すると2017年はまさにトランプ大統領に振り回された年だったという事が見えてくる。
 アメリカ大統領のロシアスキャンダルという事が既に前代未聞だが、それ以外にも失言暴言から、国際情勢を緊張させる深刻な事態まで、トランプ現象といえるものに世界中が振り回された1年だった。そして誰もが次のように一度は考えただろう。

 「トランプ大統領とはどんな人物で何を考えているのか?」

 この問いに対して色々な意見があると思う。だが私がいつもトランプ氏という人間について考える度にイメージするのは・・・、

 例えば“近所の飲み屋でホステス相手に威張りちらしてその場限りの適当な法螺を吹く”そんな一言でいうと「口が軽いいい加減なオヤジ」である。

 つまりは信念とかポリシーとかが特にあるわけでなく、また明確な悪意や悪い事をしているという自覚も無い、ただの無責任なお調子者である。しかも自分勝手で我儘なうえに差別主義者でもある。ようするに一言でいうと「俗物」である、そして本来ならば責任のある立場について欲しくないタイプの人間だ。
 しかしこの俗物がよりにもよってアメリカ大統領であり、世界最大の軍事力と核ミサイルのボタンをあずかっている。

 ここまで書いていると私はどうしても安倍総理の事を連想してしまう。私の目から見ると安倍総理はある意味ではトランプ大統領ととても良く似たパーソナリティーに思える。例えば次のような所は二人とも考え方がよく似ている気がする。

<トランプと安倍の共通イメージ>
・独善的で強い偏見の持ち主。
・モラルが低くて嘘をつく事にためらいがない。
・責任感が感じられず政治の私物化を悪いと思ってない。
・どうやら自分では賢いと思っている。
違いはトランプが宗主国側で安倍が属国側であるというロールプレイのポジションだけだ。

 この点についてみんなはどう思うだろうか?

 単なる偶然による取るに足りない事柄だろうか?

 たまたまる政治家個人のゴシップ話が目立っているだけだろうか?

 だが私には、これらは偶然ではなくおそらくとても重要な事柄を暗示しているのではないかと考えている。つまり「アメリカ」とそしてとても強く影響される「日本」という二つの国が抱えている共通的な病のようなものが、この二人の政治家を産み出したのではないだろうか?

 私はこれらは新種(ニュータイプ)の新たな社会問題であるように思える。そして次のような二つの国が抱える顕著な問題の結果だと思う。

<両国が抱える社会の病>
・フェイクニュースの蔓延、歴史修正から感動ポルノに至る真実軽視の傾向
・貧富の拡大により中間層が激減したことによる社会不安
・グローバル化に翻弄される人々の疲弊
・コミニティが力を無くし分断された孤独な人々

 もちろんこれらは日米だけの問題ではない。だが他のヨーロッパ圏、アラブ圏、アジア圏では少し事情が異なる気がする。例えばヨーロッパやアラブでは宗教や伝統といった文化が人々を繋ぎとめているし、中国のような国では身内による強い結びつきが人々がバラバラにならないように支えている。
 日米はある意味ではこの新たな病の先進国であり、これは今後の世の中を見るうえで注意すべきポイントではないかと思う。


3.イスラム国との戦争
 2017年はついにイスラム国の敗北と撤退が顕著になった年である。そしてようやくアラブの戦争がひと段落して今後どうやって平和を担保するかの話が出始めた年だった。だがトランプ発言(アメリカ大使館のエルサレム移転)によりまた新たな緊張が起こっている。

 もともと私はイスラム国が無くなったとして、そこからどう収めるのかにはかなり疑問を持っていた。中東の争いは色々と紆余曲折のゆえになんとかイスラム国を悪者として一致団結している。だがそのイスラム国がいなくなればどうなるのか? もともと仲が良くないとか利益や主張が異なる国々や民族による争いが途端に勃発する可能性がある。

 例えばロシア対米国、クルド人と周辺国、シーア派とスンニ派の争い、イスラエルとパレスチナ、トルコとEUなど対立軸は幾らでもある。むしろ引き際の方が難しいというのが現実だろう。
 そういった中でのアメリカ大使館移転というトランプ発言だ。これは火薬庫で花火をして遊ぶのに等しい乱暴さである。

 私はこの将来にはどうしても希望が見えない。確かに「イスラム国(組織)」は結果的に中東から撤退するかもしれない。だがその後に残された空白地帯を巡って新たな紛争が起こる可能性が高い。
 私が懸念するのは、今回の争いで最も血を流して戦ったクルド人についてだ。彼らは自分達の国を得る為にもっとも勇敢に犠牲を払って戦ったと聞いている。だが彼らが期待するような十分な分け前を誰が払ってくれるだろうか? もっと言えば彼らは利用されただけなのではないだろうか?
 もしも軍事大国が言葉巧みに彼らを利用しただけであり、戦争が終わって見捨てるような事になれば、彼らは間違いなく「次のイスラム国」になるだろう。そのような混乱が起こればイスラム国も息を吹き返すかもしれないし、新たなテロがさらに世界にまき散らされるかもしれない。


4.北朝鮮問題
 北朝鮮問題は日本と韓国にとってはとてもやっかいで危険な問題である。だが日本では今だにこの危機がよく理解されてない気がする。そもそも自分たちが戦争に直接巻き込まれるという事が解ってない。だがそれ以上に何のために、どんな状況で戦争が起こるのかが理解されていない気がする。

 よく誤解されているのは「北朝鮮が宣戦布告する事はありえない」とか「いままでもよくあった北の戦争やるやる詐欺でしょ」といった声である。つまりは今までと状況が対して変わっていないという意見だ。
 だが私が危惧しているのは逆の「アメリカからの先制攻撃」である。もともと北朝鮮はアメリカとの交渉を望んでいるのであって戦争をしかけるつもりはない。現在の核ミサイルおよび弾道ミサイル技術で危機を与えているのはあくまでも対アメリカであって、日韓そのものは大きく状況が変わっているわけではない。

 では誰が戦争をやる動機を持つかといえば、それは唯一アメリカである。アメリカは安全保障の観点から本国にミサイルが届くのを嫌う。またはメンツの為に北を屈服されたいという動機である。だがそれにしても米軍人は実際に戦争になれば日韓に大被害が出る事と、半島と周辺がイラクのような大混乱になる事を懸念してむしろ慎重な態度を見せている。
 だがやかっかいなのはトランプ大統領である。彼は自らのロシア疑惑や支持率低下などの国内問題から目をそらす為に、むしろ北との戦争に乗り気だ。そして安倍総理はトランプへ媚を売るのと同時に、国内問題から目をそらす目的で北との戦争に前向きである。いまや国益ではなく、日米での政治家個人の問題から戦争の危機が高まっている。

 それにそもそも周辺国の思惑だってバラバラだ。だがそれらは日本ではよく理解されていない気がする。

1)北朝鮮のゴール(または思惑)
 自国の安全を担保。米国との和平条約を締結するなど。

2)アメリカのゴール(または思惑)
 トランプ大統領が抱える国内問題から追求の目をそらす為に戦争をやりたい。
(注:本来のあるべきゴール:自国の安全を担保。アメリカ本土への直接攻撃兵器を捨てさせる、または縛るなど)

3)韓国のゴール(または思惑)
 自国の安全を担保。紛争が起きないのが目的。米と北朝鮮和平で半島の緊張回避もあり。

4)中国のゴール(または思惑)
 北朝鮮領を中国の管理下として存続させること。壊滅して難民を出したくない。またロシア側の管理下になるのも困る。

5)ロシアのゴール(または思惑)
 北朝鮮を自国の管理下に引っ張ってくる。半島への影響力を高める。

6)日本のゴール(または思惑)
 安倍総理が抱える国内問題から追求の目をそらす為に戦争をやりたい。憲法改正や軍国化などを進める為にも戦争は好機と考えている。
(注:本来のあるべきゴール:自国の安全担保。北朝鮮壊滅で難民発生も困るし、勢力図の大幅変動も好ましくない)

 本気で戦争をやりたいと考えいるのは、おそらくトランプと安倍だけだろう。トランプにすれば国内での不人気や失策、選挙におけるロシア疑惑などの問題をうやむやにして支持率をあげるチャンスなのだろう。くわえて半島での戦争が起これば当然のように韓国と日本には大被害が起こるのだが、白人で差別主義者のトランプにすればアメリカ人の血よりはまだ安いと考えているふしもある。

 これが安倍になるとさらに厄介だ。むしろこの危機は軍国化と独裁化を強める為のチャンスだと考えている。危機に乗じて緊急事態条項を通せれば完全な独裁体制が可能になるし、そうなれば汚職などの様々な問題も一気にチャラにできる。これは安倍にとっては一発逆転の大チャンスなのである。ただしその賭けの担保は国民の生命なのだが。


5.北朝鮮との戦争による被害
 北朝鮮との戦争になれば日本にも大被害が起こる可能性がある。場合によっては国家的にも壊滅的なダメージを負う事すらありえると思う。懸念として考えている事を幾つか挙げてみよう。

①核兵器による都市、または電子パルス攻撃
 水爆クラスの核攻撃が本当に実現して成功すれば人口の何割か減るぐらいの死者が出るかもしれない。あるいは電子パルス攻撃が広範囲に行われたらそのダメージで、核施設が制御不能になる可能性もある。この場合も結果的にチェルノブイリクラスの大災害につながる可能性がある。

②ミサイルによる核施設攻撃
 もしも私が金正恩の立場ならばこれをやる。もっとも簡単で確実に戦果を得られる方法だからだ。発電等の重要施設を狙うのは戦争の定石だし、ダメージや汚染が起これば日本と米軍の行動を麻痺させられる可能性もある。ただしその場合はチェルノブイリクラスの大災害になる可能性もある。そうなれば日本全土が住めないぐらいの汚染となる可能性もあり得る。

 もちろん通常ミサイルで都市部を攻撃とか、テロによるダメージとか色々と考えられるが、一番の懸念は核施設への攻撃である。おあつらえ向きに日本海側にはずらっと核施設が並んでいる。
ちなみに私はミサイル防衛などというものをはなっから信用していない。
 あれは兵器産業の過大広告であって実際にはあまり役に立たないのではと考えている。飛んでくる半分でも落せれば幸運という程度のものだろう。そのうえ衛星軌道から来るミサイルには実質対応不能ときく。現実世界を守りたいならばミサイル防衛といった甘言にのらずに地道に平和を維持する為に交渉をするしかない。
 また半島での戦争が起こす政治的な混乱も深刻だ。もしも米国が独断で北を先制攻撃する事態になれば、中国は北朝鮮に加担すると過去に宣言している。そうなれば戦火がどこまで広がるか解らないが、少なくとも日本全域が戦火に含まれるだろう。最悪はWW3のような大規模な争いに発展する可能性もある。

 だが色々なニュースやネットでの声をみて私が疑問に思うのは、これらの深刻な問題や危険を日本の与党や右派の連中はよく理解してないのではと感じる事だ。気楽に今まで通りにアメリカについていけば大丈夫と考えているようだが、アメリカと日本では大きく立場が異なる。
 ボクシングの試合に例えると、日本はリングで戦うボクサーだが、アメリカはリング外で指示を出すセコンドのようなものだ。最悪ボクサーは死ぬかもしれないが、セコンドが死ぬことはあり得ない。アメリカからすれば半島での戦争は中東でやっている事と変わりないのだろう。被害や損失はあっても自国で人が死ぬわけじゃない。
 この状況で無条件にアメリカに従おうとする行為、それこそが本当の平和ボケである。これに比べると韓国の対応は極めて常識的である。大統領の文在寅が極めて慎重な態度を示しているが、これは当たり前の行為であり、彼は自国民を守るという責任を果たしている。むしろ日本政府の態度ははなっから日本国民を守るという責務を放棄している。


6.いまの世界が示すもの(文化の限界点)
 トランプや安倍のようなリーダーが登場した事は何を示しているのだろうか。私はそれらが示すのは「フェイクニュースが蔓延した世界」の到来だと受け止めた。ここで言うフェイクはオーウェルの「1984」的な世界であり、それがいまや資本主義と個人主義を通じて実現されつつあると考えている。
 フェイクニュースが蔓延する世界とは、真実が軽視される世界であり、強者は身勝手な嘘を振りまいて欲望を満たし、弱者は麻薬のような夢に溺れるか誰かを憎悪するように仕向けられた世界である。

 もともとそれらは人々の様々な欲望や弱さに付け込んで蔓延するが、なかでも特に日本は耐性が無いように感じる。理由は日本社会には一本筋が通った理念やモラル(あるいは信念)というものが欠如しているせいだろう。確かに思い返せば、私もモラルや理念というものを学んだ記憶も無ければ、社会で目にする事もほとんどない。

 例えば教育を通じて教えられたのは、良い学校でて良い企業に勤めろというような事や、規律や周囲に従うだの、疑問を考えるより前にまず従えとかいった事ばかりだ。そのどこにも「人としてどうあるべきか」とか「より良く(善として)生きる」とはどういう事かなどと学ぶ機会は無い。そして家庭や社会においても教えてくれる場は無い。
 他国では宗教がこの部分をサポートするのかもしれない。だが日本社会では宗教がモラルとしての役割を果たす場面がなく葬式(死者を弔う儀式)以外に出番が無い。

 この「モラル(高い理念)」が存在しない事が実質的に社会の上限を定めている。たび重なるハラスメント、次々に表に現れる偽装、ネットで自由に発言できるようになった途端に溢れるヘイトや中傷など、これらはあるべくして現れたものだ。
 そしてこういった多くの問題が出ながらそれらの解決への道筋すらつけられない現状そのものが、まさに日本の限界、つまりは「今の腐った土台(文化)に建てられる限界」なのだと私は思う。

 そう考えて世界を見れば、西洋社会やアラブ社会には宗教というモラルがまだ生きており、彼らは葛藤をしながらも試行錯誤を続けているように見える。一方中国のような国では民間にある血縁主義というべきコミュニティがその代わりをしているように見える。いずれにしろそこには何らかの譲れないモラルのような物があり、そして葛藤しながらも取り組み続けている姿があるように思う。
 それはおそらく今の日本には無いものだろう。日本にはコミュニティというべきものがほとんど失われており、大衆化した悪意に対して対抗すうような術が亡くなってしまっている。より良く生きようと願うような人をサポートする社会も組織も法もない。


 将来への予測としてこの問題を考えたとき、私は日本については正直言って改善される見込みはないと考えている。より良く生きたい人は国を捨てるしかないように思う。
 だが海外がどうかというと西洋社会はまだ日本よりも望みはある。しかし危ういように感じる。イスラム国戦争から始まった難民問題などを解決するには、もう一段階ステップアップした理念のようなもの、そしてそれを実現に移すだけの知恵や法が必要だと感じる。


<余談1:テクノロジーに期待するもの>
 もしも画期的なテクノロジーが出てきて、結果としては「人が食う為に働く」事から解放されたら、私は新たなステージのようなものが搭乗するのではないかと思う。「生きる」事が保証された世界であれば、人は「より良く生きる」事を願う(あるいは競う)ようになるのではないだろうか?

<余談2:天皇が示すもの>
 日本には柱とも言うべきモラルが無いと述べると、だからこそ「天皇」でこの隙間を埋めようという話がすぐに出てくる。
 しかし天皇は私が述べた意味での柱になる事はできない。なぜならば天皇はなんの「モラル」や「理念」も持ち合わせていないからだ。そこにあるのは「(多くの者が願う)都合の良い解釈」だけである。天皇は神の代わりにもなれないし、法の代わりにも、良心の代わりにもなれはしない。それは日本人が昔から好んでやる誤魔化しのテクニックである。そしてなんの解決にも、救いにもつながりはしない。


<参考リンク>
未来予測2017 ~歪みが深まる時代~

未来予測2016 ~世界3つのシナリオ~

未来予測2015 ~不安定化する世界~

未来予測2014 ~安倍政権という方向性~

未来予測2013 ~私的予言録~

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