2019年1月1日火曜日

未来予測2019 〜平成という停滞の終わり〜

1.はじめに
 毎年恒例の未来予測を書く時期がついにやってきた。ちなみに未来予測といっても株価や経済の未来を占うといった実務的な観点からではなく、むしろ逆に文学的に今目の前に見える世界をどう読むかといったような「あの当時はこう感じていた」「こんな風に世の中が見えていた」というのを率直に書き綴った日記のようなものだ。
 当たるも八卦当たらぬも八卦だけど、ここずっと数年はネガティブな予測が多いからむしろ外れてくれた方が良いだろう。なので私も気楽に書くし、気楽に読んでみて貰えたら幸いかな。


2.平成の終わりに思う
 来年でちょうど30年ほどだった平成は終わる。元号自体にはそれほど思い入れはないけど、平成30年(2018)の締めくくりの年ははとにかく災害が多かったので何らかの因縁を感じて、はたして平成とは何だったのかとか考えさせられた。そして選んだ平成のキーワードは「停滞」だった。

 ここ2、3年だが、私は日本というのがここ10年ぐらい何も変わってないのではないか・・・と度々考えるようになった。それは日本社会が内向きになって「クールジャパン」「日本凄い」みたいな話題がTVに溢れ、その反面に世界から遅れている事を恐れる気持ちの裏返しのように、ヘイトやデマ記事が多く見られるようになったからだ。なかでも特に中韓に対する蔑みの感情(むしろ焦りかな?)というのは平成の初期とは違った物になっている気がする。
 「日本凄い」も自分たちの良いところを再発見して新たな取り組みを始めようというのならば良い。だが今行われているのは「日本のここがダメ(改善すべきでは?)」というのに対して、聞かないふりや誤魔化しをする事ばかりだ。その究極がそういうマイナスな話をいうのは中韓の回し者だ・・・的なヘイト現象である。そして結局の所は批判に耳を貸さず、むしろさらに耳を閉ざして、ポジティブではなくネガティブな方向にどんどんのめり込んでゆくのがここ10年ほどである。そして必然的な結果として進歩ではなくずるずると退化して、気がつけば世界から周回遅れになって行っている。
 例えばMeTooなどのハラスメントの問題、労働問題や移民についてなど、ヨーロッパなどがぶつかって直面してきた問題などは研究して参考にすれば良いのに、そうじゃなくて逆方向にあえて走っている間がある。(直近であった移民受け入れや高プロの議論を見ればよく解る) そして当然のことだが日本が停滞している間にも世界は、成功であれ失敗であれとにかく歩みを続けている。なので差は広まる一方だ。

 たまたまそれを私が実感して怖いなと思ったのはゲームをやっている時だった。私の好きなRPG(ペルソナ4とペルソナ5)を2018年にまとめてやった時だ。ペルソナ4と5の製作にはだいたい10年ぐらいの時間が経っているのだけど、ゲームの登場人物の日常がほとんど同じなのだ。スマホがあるかどうかぐらいしか違いが無い。だがそれに違和感を感じないぐらいに自分がそれが当たり前だとおもっている。つまり日本ってそれぐらいに変わっていない。むしろ変化を拒否したがゆえに緩やかに退化している事なのだと思う。

 では停滞しているのはここ10年だけなのだろうか? そうやって考えると失われた20年という言葉が示すようにずっと以前から、むしろ平成になった頃からずっと日本社会は停滞してきたのではないかという風に思えてくる。進歩がないと言うよりはあたかも変化を拒否してきたように・・・。
 そう思ってちょっとだけ平成の出来事を振り返って見てみると、実は平成元年(1989)ってベルリンの壁が崩壊した年なのだと気がついた。ベルリンの壁が崩壊するさまは私もTVで見たが「こんな凄い事が生きている間に見られるなんて!」と当時は素直に感動したのを覚えている。そして今にして思えばあれが冷戦終結の合図であって、以後の世界はよくも悪くも大きく変わった・・・。
 冷戦終結は今にして思えば大きなパラダイムシフトである。そしてそこから日本の停滞というかボタンのかけ違いが始まったのではないかと今考えると思える。(3年後の1991にバブルが崩壊したのは象徴的だ)

 では平成の前の昭和の高度成長時代とは何だったのだろう? アメリカとソビエトの対立で世界が区切られるなかで、日本はアメリカの軍事力の影でひたすら商売に邁進した。こんな言い方をあえてするのは当時の日本には経済成長だけが全てであって、儲けるそして世界を見返す・・・しか頭になかったからだ。でも本当は他にも考えるべきテーマ(長期的な、あるいは本質的な)は幾つもあった。そしてその多くは現在まさにホットなトピックになっている。
 例えば「憲法9条による戦争放棄をどう実現してゆうのか」とか「民主主義社会をどう育ててゆくのか」「物質的な豊かさが安定してきた中で人間社会をどう成熟させるか」など幾らでもあったと思う。でもそれらは最終的に小さくなってゆき、最後には「儲かっていれば良いんじゃね」とか「儲かっていれば大丈夫だよね」になってしまっていたように思える。

 言い換えれば、日本は冷戦という一種の特殊な状態に全力で適応することで経済成長してきた。しかし冷戦が無くなった時、もう状況が変わったという時に、変化を受け入れるのではなくそれを拒否してきたのではないか?
 そしてあたかも何も変わらないかのように同じ事をつづけて徐々に停滞してきたのではないだろうか?
 きっと冷戦崩壊は色々と私たちの考えを見直すチャンスだった。例えば米軍との関係、中韓などの近隣諸国との関係。そう考えれば村山内閣による「村山談話」や民主党が生まれる事などは、ある意味では時代の文脈の中では必然的な現象だったのではないか。でもそれも結局は大きなうねりに成りきれなかった。その後は揺り戻して古い時代へと遡ってゆく。それが極端になったのは第二次安倍内閣だ。

 ちなみに私はここの場で安倍内閣が村山内閣が云々という細かいことに言及する気は無い。むしろここで問題として挙げたいのは「結局のところ日本がやってきたのは、目前にある出来事から目をそらそうとした誤魔化しばかりじゃないのか?」という点だ。
 はたして真剣に変化に向き合って考えたり悩んだりしてきたのか?、そうじゃなくてただ昔は良かったねとか・・・そういう中途半端な誤魔化しばかりしてきたのではないかという点だ。
 もしも真剣に考えていたのなら、本気で取り組んできたのならば、たとえ失敗したとしてもそこから学んで前に進む事ができただろう。だが現実を認めない、さらには失敗も認めないとなると、あとは落ちるところまで落ちるしかない。

 こういった事により私は平成とは「停滞」の時代であり、もっと言えば「皆んなが不真面目だった。目の前の変化や問題に取り組むのを避けてきた時代」だと述べる。


3.平成の後の分岐点
 平成は停滞だった。ひたすらに後ろ向きな時代だった。ではその次はどうなるのか?
 私は次こそが分岐点であって日本人は必ず決断をしなければならないと思う。

<シナリオ1:さらに衰退+崩壊?:安倍政権が象徴する従来路線>
 シナリオ1は今のままの流れがそのまま続くケースである。要するに変化に日本人全体が向き合おうとせず、今さえ良ければ、今まで通りにやれば大丈夫なはずだ・・・として進んだ未来だ。私はこの確率は結構高いと思う。でもこれはなんら希望の無い未来だ。
 何故ならば変化を受け入れないのであれば、今よりもずっと現実を見ず内向きで引きこもるしかない。すなわちWW2時代の大本営発表の時代だ。もしそうなれば今以上に都合の良い夢を与えてくれるペテン師が大手を振ってあるくようになるだろう。どんどんと実態は悪くなり、そしてどこかで国家が破綻するかもしれない。あるいは破綻を回避するために民主制の廃止や、近隣諸国との戦争を始めるかもしれない。でもどこをどう辿ろうが最終的には破滅しかないと思う。

<シナリオ2:改革の時代>
 シナリオ2は日本人が目の前にある課題に積極的に取り組むことを選択したケースだ。つまりは甘い夢(大本営発表)から覚め「このままだとヤバイ。みんな真剣にやろぜ!!」となる道だ。今とは逆である。でも私はシナリオ2の可能性もまったく無いわけではないと思う。
 実際に今の日本の現実は相当にヤバイと私は思う。政府の汚職、公文書改ざん、原発問題、TPP、FTA、東京五輪、万博・・・、どれ一つとっても国民がブチ切れて暴動が発生しても本来は不思議がないぐらいの大問題だ。なのでいつブチ切れて政権が転覆、混乱をしつつも新たな試行錯誤へとなっても不思議はない。

 でもここまで書いて思ったが、どのシナリオ1も必ずや相当な痛みや苦悩を体験するだろうという事を想定している。でもそう言うと「どっちでもいっしょじゃん?」「ならダラダラ行けばいいじゃない?」と思う人もいかもしれない。
 でも私に言わせるとシナリオ1と2は大きく違う。1のように誰かにぶん殴られて初めて態度を改めるのと、2のように自分自身の気づきで変わるのはまったく意味が違う。前者は自立できてない子供だが、後者は自分で道を選べる大人の選択だ。
 なので最終的に問われるのは、
「ずっと子供のままでいたいの?」
「それとも大人になりたいですか?」
 それによって未来も相応に変わるだろう。


4.世界の流れ
 ではちょっと日本を離れて、世界はどのような流れに向かうのか、その文脈を読んでみるとする。
 私の懸念はやっぱりトランプ大統領である。基本的にアメリカさえ良ければ(自分さえ良ければ)という本能に忠実な人だから、どこかでとんでもない事をやらかす懸念がある。思えば朝鮮半島の問題もやばかった。一時は朝鮮半島で戦争勃発→日本に核攻撃または原発攻撃で大汚染とかを真剣に心配した。これに関して言えば文在寅ありがとうしかない。
(ちなみに安倍はトランプに追従して煽るだけだった。彼は間違いなく史上最低の日本首脳だと思う)
 そして同様のヤバイ問題はまだまだある。最近聞いた米国がシリアから撤退というのも驚いたし。あの調子で何のフォローもなく米軍がヨーロッパから徐々に撤退してゆくということになれば、これは色々とデンジャラスな事態が起こるかもしれない。
 だがアメリカ以外にも世界を引っ張る大きな極がいくつかある。

<世界を引っ張る極と所感>
・日米ペア:トランプ+安倍コンビで先が読めない。将来的には問題の火種になりそうな気がする。
・ロシア :日米ペアがグダグダなのに付け込んで色々とやらかされるのが怖い。
・EU    :EUには知的な面で期待したいが、面倒ごとを多く抱えるエリアなので世界を主導する事は無いと思う。
・中韓ペア:中国+韓国ペアはある意味ではブレない気がする。結果的には世界のまとめ役になってゆくかもしれない。
 *補足:これを書きながらふと思ったけど、世界の勢力図として考えると案外に中国+韓国ペアは安定なのかも。

 ちなみに他にもきっと色々な要素はあるのだろうけど、私のレベルから推理する荒い文脈だと上記ぐらいが世界の極だ。アラブ世界が例えばトルコあたりがどうなって行くのかは読みづらい。ただ彼らが一本にまとまってゆくシナリオはキッカケさえ見えてないので極とまでは成らないと思う。


5.その他もろもろ
1)経済
 トランプショックで経済は引き続き揺れると思う。だが世界レベルでの恐慌の様な兆候はないように思う。揺れるが全体を通せばそれなりになっているのかもしれない。
 しかし日本について言えば正直よくわからない。もともと政府が主導で株を釣り上げたり、統計を改ざんした数字を出してきている状態なので実態などわかるはずもない。まあ隠すだけあって良くないのだという事だけはわかる。だが経済に詳しくない私にはここから具体的に何が起こるのかがよくわからない。
 ただ思うのは日本が起点で恐慌を起こしたとしても世界はそれなりに進む気がする。日本の負債は大部分が日本国内で持ち合っていると言う、ならば逆に考えると世界は「日本を助けなくても良い。(問題ない)」と考えるかもしれない。
 その時に何が起こるのかだが正直よくわからない。日本全国が夕張市みたいになるのか? それともアルゼンチンみたいになるのか? でもそう考えた場合にもともと資源が豊富な国での破綻と、日本みたいに資源がない上に食料自給率も低い国で破綻があれば一層シビアさが格段に違うのではないかと考えるぐらいだ・・・。


2)日本の悪名がますます広がる
 ゴーン逮捕によって日本の司法が中世並みで人権無視がはなはだしい事が世界に広まった。加えてIWC脱退+商業捕鯨の再開は結果的には東京オリンピックのボイコットへとつながるかもしれない。ちなみにちょっと英語でTwitter記事とかを検索してみると商業捕鯨に対する批判は本当に大きい。
 私は英語の勉強も兼ねて時々だけど言語=英語で日本に関する記事を検索している。そうすると解るけどTwitterとかでみるとそもそも日本が話題になる事などあまりない。つまりクールジャパンだの何だの言っても、そもそもみんな日本の事を知らないんだねって事がよく解る。まあこれは考えれば当たり前で、私もフランスやイタリアのニュースとかほぼ知らないしそれが普通なのだと思う。
 ところが幾つか英語圏で話題となっていたのが幾つかある。1つはパソコンが使えないので有名となった桜田大臣だ。「Sakurada Japan」で検索するとあちこちで話題になっていて世界のお笑いになったのが解る。もう1つが慰安婦像をめぐっての姉妹都市解消という記事。これも「えっなんで?」「イカれてる」みたいな驚きのコメントが多かった。
 しかしそれらよりずっとIWC脱退+商業捕鯨再開の方が反響は大きい。今までで知る限り最も大きな怒りを世界で買っているような感触がある。なので実際に東京五輪ボイコットは現実化してくる可能性がある。もしも本当に東京五輪ボイコットが目に見える規模になったら、さすがに日本社会もそれらを直面するしかないと思う。むしろ色々な考えを改める良い機会になるかもしれない。